2010年04月05日

旧友の追悼展

 絵を一生懸命描いていた若いころ
なぜか友達は関西人が多く、彼は
その1人だった。当時の友達とは
うちが東京を離れたり絵を描かなく
なったりで疎遠になってしまったが
その中に異彩を放つ男がいた。
彼の絵は、物悲しさの中にどこか
ユーモアがあり、見るたびに違う
印象が湧く、不思議な魅力があった。
 どちらかと言えば色はきれい、
とは言い難かったが、その中に
どきっとする美しい色彩が見え隠れし
人の作品をあまり誉めない王さまが
絶賛していた。彼の個展の時何点か
買い求め、度重なる引っ越しでも
いつもどこかしら飾っていた。

 その彼が一昨年亡くなったという。
こちらもまた、10年近く疎遠に
なってしまっていた友達と、
去年の展覧会で久しぶりに再会し、
その時初めて知った。彼のことだから
いずれ名前が出ては来るのだろうと
時々検索はかけていたので
彼が夢に見ていた洋行をし、
当時はサラリーマンで、画家として
一本立ちする夢も叶えていたことは
知り嬉しかった。いつか東京で
展覧会があれば、きっと行こうと
思っていた。

その彼の追悼展に、今日行ってきた。
10年前にご結婚されたと言う
奥さまにお目にかかることができた。
彼のそれからの作品もたくさん
見ることができた。わたしたちが
知っていた画風、抑えた色彩が
一気に解き放たれた晩年の作品を
目にした時、びっくりした。
これはもはやルオーではないか?

昔の作品しか知らないわたしは
言い方が悪いかもしれないけど
色気を感じた。家庭を持つことを強く
望んでいた彼は、愛する人に出会い、
この上なく幸せな生活を送って
いたのだな、と感じた。

雑多な世の中の、隅に追いやられた
油絵芸術の世界で、著名な批評家が
認めはじめ、名前が出てきたところ
だったという。こころざし半ばで
逝ってしまった悔しさは計りしれない
だろう。それでも晩年の光るような
画風はあまりある幸せを映している
ように思えてならなかった。

自分の仕事のジャンルに関わらず
心が美しいものを求めている人は
絶対、見に行った方が良い。期日は
木曜日までなので。

高野卯港展
4月8日(木)最終日5時まで
ギャラリー枝香庵
050 3452-8627
中央区銀座3−3−12
銀座ビルディング8F
メトロ銀座駅C8出口1分
メトロ銀座線A!#出口3分
(有楽町からも近いです)

CA3A0002.JPG

高野氏の絶筆の前で奥さまを囲んで
takanosan 001.JPG

購入してきた高野卯港作品集
takanosan 011.JPG

うちにある作品(写し方が下手で
すみません)

takanosan 004.JPGtakanosan 003.JPGtakanosan 007.JPG

高野卯港画文貼より絶筆作品
CA3A0001.JPG
この作品は途中のような気がする。
彼が生き続けることができたら
どのような作風になって行ったの
だろう。彼の死は残念でならない。
でも、のほほんとした氏のことだから
案外今ごろよき伴侶を得ることが
できた人生を振り返って、ニコニコ
しているんじゃないか、なんて
思ってみたりしている。







posted by ミチル at 00:51| ☁| Comment(6) | ものづくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ミチルちゃん
逝ってしまう多くの者たちの
心に刻んでいってくれる思いを、大切に
 生きている者たちで残していきたいね。
 そんな絵を教えてくれてありがとう
Posted by ゆきよ at 2010年04月05日 08:19
何より好きなことを好きな分だけ出来たことが幸せだと思います。
志はかぎりなく続いて、亡くなった後もこうして皆さんに愛していただいて、羨ましい方だな〜!
Posted by さゆり at 2010年04月05日 09:50
ユキ〜♪出会いがあれば別れはあるし
生があれば死があるしそのはざまで
わたしたちの心は右へ左へ揺れるけど
心の底にぽとんと投げ入れてもらった
ものはいつまでも変わらないね。
時間があればぜひ、行って見てね。
有楽町からすぐだよ。
Posted by ミチル at 2010年04月05日 14:19
さゆりん♪ずうっと絵筆をとっていた
そうで亡くなる直前まで描いていたそうです。
からだがだんだん動かなくなり3階にある
アトリエに上がれなくなりやがて2階に
そして1階で描いたそうです。でもね
わたしは奥さまにお目にかかれて
高野さんは本当に幸せだったなと心から
思いました。今回の展覧会も奥さまの
ご尽力だしこれからも続けて行くそうです。
神戸の方なのでそちらでも展覧会が
あると思うのでその時はぜひ行って
見てください。素晴らしい作品だった。
Posted by ミチル at 2010年04月05日 14:23
最終日の閉店ギリギリ間に合いました。というか、少し時間オーバーしちゃいましたが。
帰り際にどこでお知りになって?と訊かれたので「山梨のこばやしさん・・・」と答えたら、
「すごいロバ使いのミチルさん・・・?」「強いロバを育てているミチルさん・・・」「賢いロバのミチルさん?」と、オーナーさんも奥様も、ものすごいウロオボエだったので面白かったです。
好きな感じの世界で、また見たいと言ったら、今回とはまた違った感じの絵もいっぱいあるので、また展覧会をしたいとおっしゃってました。
Posted by satoko at 2010年04月09日 00:15
satokoちゃん♪おお!足を運ばれて
くださったか♪♪不思議な作風に
不思議な色遣いだったでしょう?
けんちゃんは生身の高野さんに
何度か会ってると思うんだ〜。
わたしはすっかりご無沙汰しちゃって
東京離れてからは数回しか会って
なかったの。亡くなったことも
去年知ってびっくり。でもね、とても
さびしがり屋と言ったら変だけど
家庭を持ちたがっていたので
10年間あのような理解のある奥さまと
一緒に暮らせたことは本当に
良かったと思ってるの。うろ覚えでも
覚えていてくださったんだね(^_^;)
ま、ロバ飼ってる人もそうはいない
だろうからなー(笑)
Posted by ミチル at 2010年04月09日 00:28
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